ゆれる


ゆれる
重いです。特に兄弟がいる人は見ていて辛くなることもあるかも。

田舎の生活を嫌って東京でカメラマンをしている猛。写真集も出し美人の彼女と交際もしている。母親の法事のおりに久しぶりに故郷に戻る。故郷では堅物の父と兄、稔が昔からのガソリンスタンドを経営している。稔は家の家事をすべてこなし卑屈で女性ともなかなか縁がなかった。二人が幼なじみの智恵子と渓谷に行ったときに事件が起きた…

話としては典型的な兄弟葛藤です。田舎から抜け出し、自分の好きなことで成功した弟と、長男で可愛がられガソリンスタンドを継ぎ地縁に縛られ身動きもできない兄。お互いどこかで相手を羨ましがっていた部分が事件を期に白日にさらされ、関係性も二転三転します。

おそらくこの映画を際立たせているのは事件の質と裁判の行方がはらむ緊張感と、兄弟を演じる俳優、オダギリジョーと香川照之の変貌ぶり、何を考えているのかわからない掴めない気持ち悪さだと思います。
最後の最後まで真実はわからず、見る側はそれに堪えなければいけません。かなり見るものに重圧を課す映画ですが、最後に救いとも解釈できるシーンがあって救われます。
話題のブログをチェックー人気ブログランキング

めぐりあう時間たち


めぐりあう時間たち

見終わって、ほーっと一息つきました。

全編を通して緊張感が漂っていて、見終わって解放されます。音楽も俳優の表情も緊張感を掻き立てます。

邦題が秀逸だと思いました。原題はThe Hoursですが、めぐりあう時間たちの方が映画をよく表していると思います。
映画は異なる時代を生きる3人の女性の1日を描くことで、それぞれの人生や岐路を切り出そうとしています。3人の女性にはかすかに淡いつながりがあるだけですが、底流に流れる本質は同じようなもの。

女性を描いているので、彼女らの岐路は女性に特有かとも考えられるますが、彼女らには男性のパートナーもいて男性側からも観ることができます。
おそらく問題は望もうと望むまいと役割に縛られる日常の限りない延長と逃れがたい絆なのだと思います。

出演者はメリル・ストリープとジュリアン・ムーアとニコール・キッドマンが揃い踏み。
特にニコール・キッドマンはアカデミー賞も受賞した迫真の演技をみせています。駅でのやり取りは鑑賞者に食って掛かるほどのものです。

たぶん重要な鍵である「ミセス・ダロウェイ」を読んでいるともっと楽しめると思います。
話題のブログをチェックー人気ブログランキング

リチャード・ニクソン暗殺を企てた男


リチャード・ニクソン暗殺を企てた男

こんなに観ていて胸が痛くなるほど悲しくて辛くて寂しくて空しくなる映画を久しぶりに観ました…。

実話にヒントを得たという、リチャード・ニクソン大統領を暗殺しようとする男性がどのようにして計画を立てるにいたったのかを追っていく作品です。

ショーン・ペンが演じる主人公は理屈っぽくて弱気な裏でプライドが高くて他人の感情に想いも馳せれず恥を恐れていて責任を外に押し付け大事なところで嘘までついてしまう。はっきり言って、自分の感覚とはまったく異なった人物です。それなのに彼の焦燥感や絶望感、社会に対する憤りがひしひしと伝わってきます。見ているのが辛くなるほどに。
けれども、主人公みたいな人は今の日本にたくさんいると思うし、自分も少なからず似たような面もあるとも感じます。そういう意味で現在の日本にもわりと当てはまると思います。

毎回ショーン・ペンの泣き笑いの顔には見入ってしまいます。
話題のブログをチェックー人気ブログランキング

プルーフ・オブ・マイ・ライフ



プルーフ・オブ・マイ・ライフ
観おわってからもいまいちしっくりこない映画でした。

かつて天才数学者だった父が介護の末に亡くなり、娘のキャサリンは途方にくれる。キャサリンのもとには父の生徒だったハルが遺品を調べるために訪れ、姉のクレアも葬儀のために帰郷するが…

個人的にキャサリンが可哀想でした。密着していた父を亡くしたこともそうですが、周りの人の手助けが侵入的すぎて。彼女に思い込みが激しいところがあるのは確かですが、まるで彼女の悲しみに触れようとしない。周囲は自分のしたい事に邁進している感じがしました。彼女が信頼を裏切られたと感じるのも無理はないでしょう。

あと父の病気はなんだったのでしょう。アルツハイマーっぽかったけど、若いときから発症してるように描かれてたし、キャサリンも自分が発症するんじゃないかと恐れてたし。強迫的な面もあったけど、病気までいかなさそうだし。白昼夢は多いけど、狂人と呼ばれるレベルか?

母親は?あの後の関係はすぐ終わるんじゃない?ハルって調子よすぎじゃね?とか数多のつっこみどころがいまいちにさせてるんでしょう。
話題のブログをチェックー人気ブログランキング

蝶の舌



病弱な少年と心優しい老教師のあたたかな関係がスペイン内戦によって否応なく影響を受ける。

一番印象的だったのはその映像美。森の中に自然を観察しにいくシーンなんて美しいというよりも神秘的という言葉がぴったり。スペインにはあんなにきれいな森があるんだということを知りました。

老教師グレゴリオの教育方針はいいなぁと思いました。子どもの興味をかき立てるような教育。スペイン内戦前だったからかもしれないけれども、教師が政治的な考えを表明するのはどこの国でも嫌われることなのかと思いました。やはり影響力があるんでしょうか。

この映画はラストが衝撃的という謳い文句がされています。印象として確かに唐突なラストだったけれど、どちらかといえば「これで終わり?」という肩すかし感がありました。結末自体はわりと読めるし。ただタイトルの意味を考えるとこのタイトルの言葉に含まれる意味は計り知れないな、と感じました。

話題のブログをチェックー人気ブログランキング

カッコーの巣の上で


刑務所から逃れるために精神病院に詐病の疑いで入院するマクマーフィー。薬は飲んだふり、婦長のルールには片っ端から反抗していく。さらには他の患者を煽り、統率し集団でルール破りをする。病院全体が諦めかけてるときに、婦長は「救うために」病院に長期に拘束させる。そんな拘束に堪えられないマクマーフィーはどうにかして病院を抜け出そうとするが。。。

精神医療を志す人は見ておくべき映画なんでしょう。実際に色々と考えさせられる場面が出てきます。グループセラピーの進め方とか患者への対応とか。もちろん時代性もかなりありますが、規律と尊厳のバランスをいかにとることが治療に繋がるのかを常に考えなければいけないと思います。
個人的に婦長のビリーに対する質問のあまりの鋭さとマクマーフィーへの最後の治療が心に痛いです。

印象的だったシーン
患者の1人が婦長に僕のタバコをくれ、と懇願するシーン

やはり個人の楽しみ、ものを奪われるのは尊厳を奪っているでしょう。今の精神病院では家族からの差し入れがかなりあります。しかしタバコをやらない婦長側の理由はマクマーフィーがギャンブルでカモにしてしまうから。以前、普通の精神病棟にヤクザを一緒に入院させたら他の患者さんのものが奪い取られてしまうと講義で言われたことを思い出しました。難しいところです。やはり手に負えない、動機がない人に対して「救うために」治療するのは無理だと感じてしまいます。

話題のブログをチェックー人気ブログランキング
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。